今回は、気になる研究の紹介です。https://doi.org/10.1016/j.spinee.2025.07.015
1. 腰痛治療に関する高品質な診療ガイドラインを分析した系統的レビュー
この研究は2016年1月から2024年3月までに公開された腰痛の治療推奨に関する高品質な診療ガイドラインをまとめたもので、複数のガイドラインから「効果があるよ」お墨付きのものと「デメリットが大きいからやらないほうがいい」といわれてものをとりあげています。
2. どんな治療がいいのか
1. 使用が強く推奨される治療(使用を支持する合意)
多くのガイドラインが、以下の介入を積極的に行うべきであるという点で一致しています。
• 患者教育 (Patient education): 患者への適切な情報提供。
• 自己管理計画の提供 (Self-management plan): 患者自身が症状を管理するための計画。
• 恐怖回避療法 (Fear avoidance therapy): 痛みを恐れて活動を避ける心理的要因へのアプローチ(理学療法の併用有無を問わず、急性および慢性腰痛の両方で合意)。
• 有酸素運動 (Aerobic exercise): 慢性腰痛に対して。
• 太極拳 (Tai chi): 慢性腰痛に対して。
• 職場復帰 (Return to work): 早期の社会復帰の促進。
• プロトンポンプ阻害薬 (PPI): 消化器合併症のリスクが高い患者がNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を使用する際の併用療法として。
2. 条件付きで推奨される治療(使用を支持する合意)
特定の条件下や、他の治療との組み合わせで推奨されるものです。
• 脊椎マニピュレーション (SMT) またはモビライゼーション: 多角的アプローチ(Multimodal approach)の一環として行う場合。
• 認知行動療法 (CBT): 心理的な介入。
• マッケンジー法 (McKenzie method): 特定の運動療法。
• ドライニードリング (Dry needling): 慢性腰痛に対して。
• カプサイシン(トウガラシ成分)外用薬: 慢性腰痛に対して。
• 高周波神経遮断術 (Radiofrequency denervation): 神経組織を熱で凝固させる処置。
3. 強く推奨されない治療(「行わないこと」で合意)
以下の治療法は、効果が乏しい、あるいはエビデンスが不十分として、多くの高品質ガイドラインが一致して非推奨としています。
• 牽引 (Traction): 急性および慢性腰痛の両方で一貫して非推奨。
• ベンゾジアゼピン系筋弛緩剤:。
• 腰部サポート (Lumbar support): コルセットやベルトの使用。
• 電気療法: TENS(経皮的電気神経刺激)、PENS(経皮的電気神経刺激)、干渉波療法、超音波療法など。
• 侵襲的治療: 椎間板置換術、脊椎融合術(脊椎固定術)など。
• その他: 足底挿板(インソール)、レーザー治療、抗生物質の投与。
3. 強く推奨されない治療とは
「効果が期待できない」あるいは「提供する価値が低い」という判断が、厳格な開発プロセスを経た世界中の主要なガイドラインで一致している治療です。
日本の病院での一般的な腰痛治療は残念ながら推奨されていないものばかりです・・・
まとめ:
世界での腰痛治療は「運動」と「心理的・多角的なアプローチ」がメインになっています。
当院では「ゆるめる」→「引き締める」→「動かす」ことで本来の体の動きを取り戻すお手伝いをさせていただいています。
ぜひ一度お試しください。予約はこちらから→「ネット予約」

